『少年は残酷な弓を射る』ネタバレ感想|親子関係を真剣に考える映画!
『少年は残酷な弓を射る』

監督 リン・ラムジー
脚本 リン・ラムジー
ローリー・ステュアート・キニア
原作 ライオネル・シュライヴァー
出演者 ティルダ・スウィントン
ジョン・C・ライリー
エズラ・ミラー
内容
イギリスの女性作家に贈られる文学賞として著名な『オレンジ賞』に輝く、ライオネル・シュライバーの小説を映画化した家族ドラマ。息子がとある事件を起こしたことを機に、それまでの彼と自身の向き合い方を見つめ直し、悩み抜く母親の姿を静謐(せいひつ)かつ重厚に映し出しています。
ネタバレ感想
※以下内容に触れるので本編をまだご覧になっていない方は注意。
久しぶりに面白いという表現を使っていいのかどうか(良い)映画に出逢いました。
母親の愛を拒絶し続けていた少年の物語。
とパッケージ紹介があって興味を持って鑑賞しましたが内容は衝撃的。。
作家のエヴァ(ティルダ・スウィントン)は、妊娠を機にそのキャリアを投げ打たざるを得なくなる。
彼を産んで育児ノイローゼになりそうになりながらも、苦悩して育て上げてきた息子ケヴィン(エズラ・ミラー)。
しかし、母と子との間にはどこか溝のようなものができてしまい、彼自身もエヴァに決して心を開こうとはしなかった。
子供時代のケヴィンの狡猾さは常軌を逸していており
私自身、子育ての経験はないがここまでされたらいくら子供でも手を上げてしまうかもしれない。
映画では子供が母親に嫌がらせをするシーンが沢山あります。
そして最後は、得意だった弓矢を学校の生徒に向けさらには、妹も父親も殺害してしまうのです。
映画『エレファント』に似ているような気がしました。
親子関係を真剣に考える映画!
親は子供を育てる義務がありますが、どうも最近では親が子を手にかけたり、逆に本編のように子が親を手にかけるようなニュースを良く耳にします。いくら義務といってもここまで歪んでしまっている関係なら無理に一緒にいなくても良いと感じた。
エヴァは真剣に子供と向き合おうとしますが上手くいきません。「懸命」の裏にある「辟易」を。愛情を与える「義務感」と彼に対する「嫌悪」を。彼ケヴィンはそんな母親の全てを見抜いていた。この「悪魔性」は生まれもってのものなのか、それとも母親の育て方が生んだものなのか。
答えは映画を見ても無いのですが大変考えさせられる。核家族化がすすんだ現在において子供の育て方とか親子関係はファミリーの数だけあると思うし、『社会が決めた普遍的な家族の関係』以外なものは沢山あると思う。真剣に向き合ったエヴァは凄いと思うがどちらかが爆発する前に別々に暮らすとかいくらでもあったと思いました。
現在、妊娠中の血液検査で胎児の障害検査が出来るようになりました。これもどうでしょう?障害があると分かったら中絶しても良いものなのか。かといってケヴィンに障害は無いが愛情が一方通行な場合。
上手くまとめられないが色々考えさせられる映画である事は間違いない。
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